学芸員ブログ
11.22023
第29回文化講演会を開催しました
10月27日(金)、コロナ禍で中断していた松山記念館文化講演会を4年ぶりに開催しました。
講師に公益財団法人 自然農法国際研究開発センター(通称 自然農法センター)の三木孝昭(みき たかあき)氏を迎えて「自然農法による米栽培技術 -抑草のための土づくりのポイント-」という演題でお話をしていただきました。
自然農法センターは松本市波田に農業試験場をもち、三木氏はこの試験農場で研究をされています。どうしたら作物や土の力が発揮されるのか状態を調査し各場所に合わせた方法(技術)を検証されていて、本講演会では、稲作の抑草のための土づくりを中心にお話をしてくださいました。
まず収穫後から田植えまでの期間、イネが元気に育つための土台作りが重要と述べられました。収穫のあと早めに稲わらをすき込み田植えを遅らせることによって、土作り期間が長くなり雑草との陣取り合戦に勝つことができるのだそうです。
また次に稲わらの土中堆肥化のポイントとして、ハンマーナイフのある作業機で稲わらをすき込むと稲わらが細かくなり堆肥化が早まることや秋耕する田は水分が少ないと有機物(わら)がミイラとなって残り、水分が多いと漬物状態になり有効に分解されていかないので適正な水分量の時に耕すのが望ましいことなども話されました。
さらに田植えの要点として、栽植密度は粗植よりも密植の方が雑草は出にくく穂数も多いことや田植え時期よる肥効についても述べられました。
本講演会は、告知を地域新聞などに掲載したところ例年にない反響があり聴講者は170名を数え、近年の有機農業への関心の高まりを実感しました。
県内の各地からご参集をくださりありがとうございました。
(講演会記録は、来年の来館者にお配りします)
公益財団法人 自然農法国際研究開発センター(通称 自然農法センター)のホームページはこちら