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寄贈された犂の紹介 第一弾

このたび、茨城県日立太田市の方から犂2台の寄贈を受けました。

1台は東洋社の「日の本號犂」でした。今回はこちらの東洋社の犂について書きたいと思います。

東洋社は文久3(1863)年に熊本県で田上伝蔵によって作られた「甲佐犂」と呼ばれた長床犂から始まった会社で、畜力犂全盛期には三大メーカーの一つと言われていました。

今回寄贈された犂は、犂轅が鉄製で出来ていて「日の本號二段耕犂」と印字され、犂身には「上熊本駅前 東洋社」と刻印されている双用犂です。残念ながら前犂は外されています。

東洋社の二段耕犂の特徴は、前犂の取り付け方法が練木型(深見犂でよく使われていた型)と犂身型(磯野犂でよく使われていた型)の長所を合わせたところです。これにより前犂が安定し、天地返しが完全にでき人気をはくしました。昭和27~29年頃が全盛期だったそうです。

当館は「日の本號二段耕犂」と印字された二段耕犂を収蔵しています。当館の犂は長野県上伊那郡農業高校から寄贈された犂です。今回寄贈された犂との大きな違いは犂轅の材料です。当館の「日の本號二段耕犂」の犂轅は木材で出来ています。

この「日の本號双用二段耕犂」は昭和25年から生産されていて、昭和30年には犂身、犂轅ともに鉄骨製になっているそうなので、本資料はその移行期に当たるものと思われます。

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