畜力用松山式双用犂

 双用犂の犂先と犂鐴を左右に動かす方法には、水平軸式・傾斜軸式・水平軸転床式の3方式がある。松山原造は明治3510月に水平軸式(特許第4975号)、明治374月に傾斜軸式(特許第7309号)、明治4010月に水平軸転床式(実用新案第7036号)の権利を得ている。原造は水平軸式双用犂に全力を傾注してこれを完成させ、創業時から畜力犂の製造を終える昭和38年頃まで一貫して生産した松山犂を代表する型式の双用甲大型・甲小型は水平軸式である。昭和24年から販売した松山式バケン号、昭和35年から販売した輸出用の双用犂GEM-1型には傾斜軸式を採用し、また昭和34年から販売した松山式双用犂MR-17には傾斜軸転床式を採用している。

 二段耕犂は明治45年ごろに香川県で考案された。前犂で表土を耕し本犂で心土を耕起して完全天地返しができ砕土も効率よくできた。昭和23年ごろからは二段耕のブームが現れ各メーカーが開発を競った。松山犂を製造した松山犂製作所では昭和24年から二段耕犂を製造販売し、前犂の着脱が自在で一段耕犂としても互換性のあることを特長とした。

 

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